ウサの耳に

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『ヤクザと家族』

 

 

 

 

どんだけ楽しみにしてたんだ、わたし。

 

ストーリーや構造のことはわたしよりうまく説明する人がいっぱいいるだろうから、感じたことをそのまんま書いておく。

 

綾野剛にはこれまでも「綾野剛...」という気持ちにさせられてきたのだが、今回は圧巻、まじでまじの

舘ひろしの登場シーン、スクリーン通してもオーラがありすぎた

・1999年、綾野剛舘ひろしの「目」がすごい、この「目」をみてほしい タイトルが出るまでの

・ただその後、「目」どころではなくて、まとう空気とか、表情とか、姿勢とか、声色とか、なんかもう全部が、、、、

綾野剛舘ひろしはもちろんのこと、他の俳優陣も素晴らしい

北村有起哉の身になろう

・そこでこそ輝く市原隼人

・ただ、今回は、なんと言っても磯村勇斗

・ラストシーン、悲しくてどうしようもなくて胸が詰まって苦しかったんだけど、磯村勇斗、なんて演技をするんだ...

磯村勇斗と小宮山莉渚が光だった これも「家族」 どうか幸せになってくれ

 

 

わたしはヤクザ映画を「ファンタジー」だと思って楽しんでいるところがあるんだけど、今回はそうもいかず。ファンタジーのようで現実で、でもわたしにとっては非日常で、でもさ血が繋がっているかは置いておいて、「家族」とか「信じる人」って誰にでもきっといるし、守りたい約束とか、許せないこととかってあるし、

そんな中で、塀の中で14年を過ごして、愛する人と再会できたのに、社会は、法は、それを許さなくて、周りは変わってしまって、やり直そうとしてもやり直せなくて...こんな切ないことがあるかよ、こんな悲しいことがあるかよ、って思って、この感情をどうしたらいいんだよって思っていたら、あやが現れてさあ、翼がさあ...あんな綺麗な目で...  彼らはあのあとどんな話をしたんだろう、彼らだけがケン坊の存在を、生き方を知っていてくれ、そして生きていってくれって願わずにはいられなくて、最後に光をありがとうって思いながらくちびるを噛んでいたんだけど、

 

エンディングの『FAMILIA』が感情に流れ込んできた。

 

eiga.com

 

"「映画を観終わった後に、その世界を生きていない第三者の愛が、どうこの作品とお客様の懸け橋となってくれるのか、今自分たちが心の中に宿している静かなマグマを治癒してくれるのは、(常田)大希しかいなかった」と振り返る綾野。"

 

"エンドロールに主題歌が入った完成版について「感想を表現するには言葉では足らない。魂がえぐられた。今日まで生きてきて出会った事のない感情です。エンドロールで歌詞が流れるのを観た時、体内から溢れ出るモノを必死に抑えた。私にとって人生最愛の作品が生まれました」(綾野)"

 

今自分たちが心の中に宿している静かなマグマを治癒してくれる」ってすごい表現だけど、まさにそんな体験だった。なんか敵わないなって思って、こんな音楽作る人に。すごい。インタビューを読んでさらにそう思った。なんかまだちょっとグツグツしてるんだけど、この音楽がなかったらこの映画は完成しなかったのかもしれない。なんかそれくらい、ありがたかった、この音楽の存在。性懲りもなく観にいってしまいそう。また。